いつもありがとうございます。
マンガ大好きユキチです。
今回は、岩明均さんの歴史漫画『ヒストリエ』を、ご紹介させていただきます。
「ヒストリエ」は、ドイツ語で「歴史」をさす言葉です。学生時代に勉強した世界史は、もうすっかり記憶の彼方で、読みはじめは、いつの時代を描いた話かまったくわかりませんでした。
というよりも、はじめは『寄生獣』を期待して、歴史漫画とも知らずに読み始めたため、何だこれ・・・と、なかなか話が頭に入ってこなかったです(笑)。
1.『ヒストリエ』の基本情報
著者 | 岩明均 |
出版社 | 講談社 |
連載雑誌 | 月刊アフタヌーン |
掲載期間 | 2003年~ |
巻数 | 既刊11巻 |
岩明均(いわあきひとし)さんの代表作はもちろん『寄生獣』ですが、『寄生獣』以降、歴史を題材にした漫画が多いです。お父さんが考古学者ということですので、そんな影響もありそうですね。
参考)SF伝奇漫画『七夕の国』です。
2.『ヒストリエ』のあらすじ
『ヒストリエ』は、古代ギリシアの時代に、大帝国を築いたアレクサンドロス大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた物語です。よって、歴史的大スターのアレクサンドロス大王は脇役で、主役はエウメウスとなります。
しかし私、この『ヒストリエ』を読むまで、エウメネスの名前はまったく知りませんでした!
3.奴隷を収穫する古代ギリシア人
岩明さんの画は淡泊なので、残虐でグロいシーンも淡々と読むことができます。また人の命が現代よりはるかに軽かった時代、『ヒストリエ』の闘いのシーンよりも、当時の奴隷制度が結構印象に残りました。
現在でも、形と名前を変えた奴隷制度はあるのかもしれませんが、古代ギリシア人にとって、他の地域の民族、住民は、野生の牛か馬と同じで、動物を狩るように捕まえ、抵抗すれば殺し、奴隷として収穫していました。人を収穫って表現、すごくないですか?
物語の前半、エウメネスが大人になるまでの生活は、そんな当時の身分制度に翻弄されます。
4.まとめ
『ヒストリエ』の何が面白いのか考えてみたのですが、岩明さんが発掘して作り出した、主人公・エウメネスにキャラに尽きます。
岩明さんはインタビューで「繊細で思いやりがあり、したたかで冷徹というのが、私の考えるヒーロー像なのですが、そのうちの「したたか」と「冷徹」が備わった主人公を、これまであまり描いたことがなかった気がするので、それをガシッと描きたいと思います。 」と言っておりました。
運命に翻弄されながらも、したたかに、冷静に、我が道を行くエウメウス。
世界史の授業で、カタカナ名が多く、嫌いだった古代ギリシアがこんなに面白く、楽しめるとは思いませんでした。