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マンガ大好きユキチです。
今回は、ラグビー漫画『ALL OUT!!』を、ご紹介させて頂きます。
2019年にラグビーのワールドカップが日本で開催されましたが、国内人気がイマイチなラグビーのこと、観客席はガラガラで海外に恥をさらすのでは…と、ドキドキしていたのですが、想像以上の大盛況、おまけに日本がベスト8!と感動の数週間でした。
今やすっかり興奮は冷めてしまいましたが、『ALL OUT!!』は、改めて、ラグビーの熱さ、「ONE TEAM」の感動が体験できる、おすすめのラグビー漫画です。
参考)「超基本的ラグビールール」です。
1.『オールアウト!!』の基本情報
著者 | 雨瀬シオリ |
出版社 | 講談社 |
連載雑誌 | 月刊モーニングtwo |
掲載期間 | 2013年~2019年 |
巻数 | 全17巻 |
新人・雨瀬シオリさんの初連載漫画となります。女性作家ならではの繊細な心理描写と、迫力あるタッチがこの漫画の特徴と言えます。担当編集者が大学ラグビーの経験者とあって、雨瀬さんと一緒に、高校生や大会をしっかり取材されているようで、生き生きした高校ラガーマンが描かれています。
2.『オールアウト!!』のあらすじ
背の低さにコンプレックスを持ち、喧嘩っ早い性格の祇園健次(ぎおんけんじ)は、県立神奈川高校の入学式当日に、長身でおとなしい性格の石清水澄明(いわしみずすみあき)に出会い、一緒に、ラグビー部の練習を見学します。
ラグビー経験者の石清水が、祇園にラグビーを説明します。
「大きい人、小さい人、太っている人、細い人、全員がぶつかっている。あそこには、エースストライカーも、4番バッターもいない。ボールをもっている奴が主役なんだ・・・」
いい言葉ですね!
(オールアウト1巻から引用)
楽しそうにボールを追う部員たちの光景に惹かれ、祇園はラグビー部に入部します。
神奈川高校(ジンコー)ラグビー部は、指導者もいない、ラグビー好きが集まったチームですが、一度も勝ったことがない弱小チームです。
しかし、ひょんなことから祇園がコーチを連れてきて、物語、ジンコーが熱く動きだします。
3.『オールアウト!!』名場面
目頭が熱くなる名場面はいくつもあるのですが、そんな1つをピックアップしてみます。
コーチを得て、厳しい練習を行う神高ラグビー部ですが、夏休み前に、1年生の気田君が退部することに。監督から話を聞いた、赤山(せきざん)キャプテンは、慌てて気田君を追って話を聞きます。
退部の理由は「練習が厳しくて、ご飯が食べられない、辛すぎます…」。赤山キャプテンは「絶対に花園(全国大会)にいく、応援にきてくれ!」と、気田君と約束して別れます。
(オールアウト6巻から引用)
その後の練習で、赤山キャプテンは、1年生の気田君が退部した責任を一人で抱え込み、1、2年生に対して「ガムシャラを捨てろ!せこいくらい細かい技術にこだわれ!」と叱咤します。
練習後に、一人で走り込みをしている赤山キャプテンに、「休むのも練習のうち、と言ったはずだ…」と、コーチが声をかけます。
(オールアウト6巻から引用)
指導者もなく、ガムシャラにやっても強くなれなかった自分達の代、後輩達にはそんな思いはさせたくない…。自分を責める赤山キャプテンに、コーチは…「捨てなくていい。お前をそこまで育てたのは、そのガムシャラだったんだろう…」と声をかけます。
部員の退部について、ここまで繊細に、先輩と後輩、コーチの姿を描けるのは、雨瀬さんのすごいところです。
4.2019年に連載終了
盛り上がってきた日本ラグビー、そんな2019年11月に、この『ALL OUT!!』は、連載終了となってしましました。打ち切りではなかったようで、雨瀬さんから、全て描ききったとコメントが出ていて…残念です。
最終17巻では、辞めていった気田君も試合の応援に来ています(泣けます!)。また、カバーの裏には、おまけ漫画として、新1年生が入ってくる場面が描かれており、気になるアイツの弟の姿も!
雨瀬さんのコメントはこちら。
突然ですが最終回でした!編集長には「もっとやっていいのに」と言ってもらえていたのですが、もう充分すぎるほど描かせて頂きました。描きたいもの全部描けたので本当に満足です。幸運に恵まれた作品でした、応援ありがとうございました!また次の漫画でね。 pic.twitter.com/9Sk6l1r7eR
— ラグビー漫画「オールアウト‼︎」公式 (@ALL_OUT_) November 21, 2019
5.まとめ
『ALL OUT!!』は、たった3年間の部活でしかない高校ラグビーに打ち込む高校生の姿、想いを、神高ラグビー部に関わるメンバーだけではなく、対戦相手も含めて丁寧に描いています。
これから、神高ラグビー部が強くなっていく!という一番の盛り上がりでの連載終了でした。『スラムダンク』もですが、ある意味、完璧な漫画の終わり方です。
しかし残念。どなたか、続編を書いてくれないですかね・・・。