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マンガ大好きユキチです。
今日は、サバイバル漫画の名作、名前もそのままの『サバイバル』を、ご紹介させて頂きます。
自然の中で狩猟採集生活を送り、道具を作って一人で生き抜くサバイバルの物語は、古くは小説『ロビンソン・クルーソー』、フィクションでは、グアム島のジャングルで28年間暮らした残留日本兵・横井正一さん、そして、漫画では、この『サバイバル』が代表となるのではないでしょうか。
参考)小説『ロビンソン・クルーソー』です。
1.『サバイバル』の基本情報
著者 | さいとう・たかを |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | 週刊少年サンデー |
掲載期間 | 1976年~1978年 |
巻数 | 全10巻 |
連載がほぼ半世紀前ですからさすがに驚きです。画は現代風ではないですが、今読んでも古さをほとんど感じないのは、文明の利点がほぼ消失した厳しい世界でのサバイバル生活だからです。
さいとう・たかをさんと言えば、代表作は『ゴルゴ13』ですが、コロナの影響で、連載開始から52年の歴史で、初めて新作連載がストップしたことがニュースになっていました。
【『ゴルゴ13』新作掲載見合わせについて】
5/25発売号より当面の間、『ゴルゴ13』の新作掲載を見合わせることにいたしました。詳細は画像にてご確認ください。
※本日発売のビッグコミック10号には、第599話「臆病者は誰か?」後編が掲載されています。#ビッグコミック #ゴルゴ13 pic.twitter.com/0S9DFgZOO1
— ビッグコミック編集部 (@bigcomic_mg) May 8, 2020
2.『サバイバル』のあらすじ
友人達と洞窟内を探検していたサトル(14歳)は、突然、大地震に遭遇し気絶してしまいます。目を覚まして、仲間達を探しますが見つからず、何とか洞窟の外に出てみると、サトルのいる場所は、四方を海に囲まれた島でした。
持ち物は、ナイフ1本とカバンとフィルム式カメラだけ。幸い、飲み水は小川で飲むことができますが、食料をどうしていくか?サトルのサバイバル生活が始まるのでした。
3.海の底に、沈んだ森が出現
サトルが食料調達のため、海に潜って貝を探そうとしたところ、海の中にあったのは…森でした。なぜ自分が島にいるのか?常に胸の中で、もやもやとしていた不安を目の当たりにして、サトルは、改めて日本が沈没してしまったことを理解します。
とてつもない孤独感に、気が狂ってしまった方が楽なのでは?とふさぎ込むサトル。しかし、サトルは、一人生きていくことを決意します。
『サバイバル』の各巻には、副題がついおり、1巻「日本壊滅」、2巻「寒波襲来」、3巻「東京全滅」、4巻「飢餓都市」、5巻「富士噴火」・・・など、主人公のサトルがこれから体験する困難が、副題から想像ができるようになっています。
4.家族を探しに日本を縦断
『サバイバル』は主人公・サトルが孤独なサバイバル生活を送るのですが、それは物語の三分の一程度です。実は日本には、サトルと同じように奇跡的に生き残った人達が存在しており、サトルはそんな人達との出会いから、父、母、姉が生き残っているのではないか?と、家族を探す旅に出ます。
旅の中で、調査にきたアメリカの軍人や、脱獄犯の集団、生き神を祭る村、独裁者が支配している街など、人々が過酷な環境で生き残っていたらどんな生活を送っているのかも描いています。残念なことに、どの集団も、まともではありません…。
5.『サバイバル』の青年版が『ブレイクダウン』
さいとう・たかをさんは『サバイバル』の連載から約20年経って、1995年には、25歳の青年を主人公とした同じサバイバル漫画『ブレイクダウン』を描いています。
『ブレイクダウン』は、小惑星が地球に落下した荒廃した世界でのサバイバル生活です。『サバイバル』は、荒野や孤島などの自然界が中心のサバイバルでしたが、『ブレイクダウン』は、廃墟などの街中が中心となっています。これは1995年の兵庫県南部地震を踏まえた作品になっているからだそうです。
6.まとめ
サバイバル漫画では半世紀にわたり、この『サバイバル』を超える作品には出会ってません。荒廃した世界ですが、途中から、生き残っている人達も出てきて、サトルにも希望の光が。一気読み必至の名作漫画です。