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マンガ大好きユキチです。
今回は、歴史漫画『へうげもの』を、ご紹介させて頂きます。
「へいげもの」と書いて、「ひょうげもの」と読みます。意味は「ひょうきん者」で、戦国武将のひょうきん者?古田重然(ふるたしげなり)の物語です。
重然は、千利休とともに茶道を完成させ、利休亡き後は、豊臣・徳川政権で「天下一」と称された武将茶人です。
1.『へうげもの』の基本情報
著者 | 山田芳裕 |
出版社 | 講談社 |
連載雑誌 | モーニング |
掲載期間 | 2005年~2017年 |
巻数 | 全25巻 |
山田芳裕(やまだよしひろ)さんは、あの野球漫画『ドカベン』の明訓高校のモデルとなった、新潟明訓高校の出身だそうです(笑)。
代表作は、この『へうげもの』と、陸上十種競技を描いた漫画『デカスロン』でしょうか。
2.『へうげもの』のあらすじ
群雄割拠の戦国時代、織田信長の家臣・古田左介(ふるたさすけ)34才は、この先どう生きるか悩んでいます。武人として功績を積んで大大名にはなりたいですが、それ以上に、名器と呼ばれる茶道具を収集したいという物欲が抑えられないからです。
そんな左介に信長は、裏切って信貴山城に立て籠もった松永久秀に対して、「平グモの茶器を渡せば、裏切りを許す」と、久秀の説得を命じます。
久秀と対した左介ですが、久秀の話も聞かずに、久秀のうしろに飾ってある、名器・平グモに目が釘付けになってしまいます。そんな左介に対して、久秀は「いずれお前も、圧倒的な力が持つ者が現れたときに、わしの道を選ぶか、あきらめる道を選ぶかを・・・」と言い残し、平グモとともに自爆して果てるのでした。
3.数寄者という切り口で戦国時代を描く
私は日本史好きだったのですが、古田重然は知りませんでした。重然は、壮年期に官位、従五位下「織部助(おりべのすけ)」を与えられたことから、古田織部とも言われています。
戦国の世の中で、茶の湯はひとときの癒しの場であるとともに、武将にとって必須の教養で、時には外交の手段でもあったようです。そんな時代に、古田織部は、千利休の弟子となり、戦国大名というよりも、茶人として名声と地位を獲得していきます。
『へうげもの』の中で、織部は「数寄者」として描かれています。そのまま「すきもの」と読んで、意味は”好き者”。風流を好む人をいい「おぬしも数寄(好き)よのう!」などと使われます(笑)。数寄者の織部、また、他の数寄者達の戦国の生き方が楽しいです。
参考)織部が創始した織部焼の美術館もあります。
4.以外でもない本能寺の変の黒幕
前半の山場は、やはり、本能寺の変となります。ネタバレにならないように書くと、独自の解釈で本能寺の変の黒幕が描かれています。そんな説があったのか!と、意外性に驚くとともに、なるほどと納得できるから不思議です。
参考)『信長を殺した男』の黒幕も面白いです。
5.まとめ
作者の山田さんが、ほぼ無名に近い古田織部を掘り起こし、数寄者の一代記にしています。歴史と構えることなく、ギャク漫画的に描かれた好き者の世界おもしろいです。
現在、実写化に向け動きがあるようです。NHK大河ドラマでやってもらいたいですが、このギャグ的数寄者の物語は、お固いNHKでは、できないでしょうね…。