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マンガ大好きユキチです。
今回は、プロ野球漫画『グラゼニ』を、ご紹介させて頂きます。
『グラゼニ』は、主人公が大活躍する野球漫画ではなく(そこそこ活躍しますが)、プロ野球を取り巻く人々の生活、お金事情などがリアルに描かれていて面白い漫画です。
ちなみに「グラゼニ」は、グランドには お金「ゼニ」が埋まっていることを、略してグラゼニと言っています。
1.『グラゼニ』の基本情報
著者 | 原作:森高夕次、作画:アダチケイジ |
出版社 | 講談社 |
連載雑誌 | 週刊モーニング |
掲載期間 | 2011年~2014年 |
巻数 | 全17巻 |
原作の森高夕次さんは、漫画家・コージィ城倉さんのペンネームです。
「おカネと野球を結びつけた作品」のアイデアを、早く世に出したかった城倉さんが、自分で漫画を描く時間がないため、編集部に依頼し、アダチケイジさんに作画をお願いして始まった漫画です。
参考)コージィ城倉さんの漫画『プレイボール2』です。
2.『グラゼニ』のあらすじ
主人公は凡田夏之介26歳。高卒でプロ野球のスパイダースに入団(ドラフト最下位)した8年目の投手です。決して一流の選手ではないですが、左の中継ぎ投手として一軍で投げてます。
年俸1800万円、入団時の契約金にも手を付けず、引退後は年収100万円台の生活に陥ってしまう…と「グラゼニ」を胸に、プロ野球選手としての生活を送っています。次第に試合で活躍することが増えてきた夏之介の成長と喜怒哀楽、夏之介の関係する人々の姿が描かれていきます。
また、スパイダースのモデルは、東京ヤクルトスワローズです。その他、実在の球団や選手達も、かなりわかりやすい名前で出てきます。
ちなみに、NPB(日本野球機構)の2019年の調査では、プロ野球選手の平均引退年齢は、28.2歳で、プロ在籍年数は平均8.2年ということです。ですから、夏之介もそろそろ結果を出さないとプロ野球選手としては厳しい年齢になっています。
3.選手以外のプロ野球関係者がおもしろい
『グラゼニ』の面白いところは、主人公の夏之介が、好不調、運の良し悪しを繰り返しながら、プロ野球選手として現役を続けていく姿も面白いのですが、選手だけでなく、監督、コーチや舞台裏で働いているスタッフ、野球解説者、スポーツ新聞記者、交渉代理人などの姿も描いているところが面白いです。
夏之介の高校野球時代の1年先輩は、千葉県のケーブルテレビに就職し、野球中継や、プロ野球選手の居酒屋トーク番組を企画したりしています。また、野球解説者のトクさんも、スパイダースを引退後に、運よくラジオ解説者となりましたが、飽和状態の解説者の不安定な姿が描かれています。
4.定食屋のユキちゃんに恋する夏之介
ユキちゃんは『グラゼニ』に登場するヒロイン的女性です。
夏之介が足繁く通う東京・恵比寿の定食屋「キッチン味平」で働いている看板娘です。シャイな夏之介は、味平名物「から揚げチャーハン」を食べるだけで、店のお客さんもユキちゃんも、地味な夏之介がプロ野球選手とは誰一人気が付いていません。
キッチン味平に来るお客さんの大半が、ユキちゃん目当てでやってくるのですから、夏之介がどうユキちゃんにアタックしていくのかも楽しみです。
キッチン味平の名前は、もちろん『包丁人味平』からとったのでしょう(笑)。
※包丁人味平です。
5.まとめ
夏之介の高校時代を描いたサイドストーリー「ナッツ編」が物語の合間にちょこちょこ入ります。高校野球部時代、ナッツと呼ばれていた夏之介は、キャプテンで、結構、気が強いのですが、プロ野球選手の夏之介は、自分より年俸が上の選手には、ビビりながら投球しています。
一流になり切れない夏之助が、殻を破るカギは強気のピッチングにもあると思います。夏之介のメンタル面での成長も楽しみです(笑)。