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マンガ大好きユキチです。
今回は、総合格闘技「修斗」に打ち込む高校生の姿を描いた漫画、遠藤浩輝さんの『オールラウンダー廻(めぐる)』を、ご紹介させていただきます。
格闘漫画というと、超人達が鬼のような形相で殴り合う漫画(笑)が多いですが、この漫画は、そんな格闘漫画と比べると地味です。詰め将棋のような理詰めの攻防の場面や、練習場の雰囲気など、かなりリアルに総合格闘技の周辺を描いています。
1.『オールラウンダー廻』の基本情報
著者 | 遠藤浩輝 |
出版社 | 講談社 |
連載雑誌 | イブニング |
掲載期間 | 2008年~2016年 |
巻数 | 全19巻 |
遠藤浩輝さんは1995年デビューの漫画家さんです。格闘技経験はわかりませんが、『オールラウンダー廻』を読むかぎり、かなり取材はされています。
物語の主人公は高校生で、アマチュア修斗の大会、選手達が中心です。プロ(試合をしてお金をもらう)ではなく、総合格闘技のジムに放課後や仕事帰りに通ったりする普通の人、格闘技をすることが好きな人というのも面白いです。
2.『オールラウンダー廻』のあらすじ
主人公・廻(めぐる)は東北の小学校に転校してきて、喬(たかし)と友人となり、喬の祖父の道場で一緒に空手を習っています。しかし廻は、1年ほどでまた転校し東京の郊外へ引っ越し、一方、喬は、元空手家でヤクザに転落した父親が、組の金を持ち逃げして殺されてしまい、父の復讐のために、強くなることを誓います。
7年後、高校生になった廻は、高校の放課後に総合格闘技のジムに通っています。さほど熱心に格闘技はやっていないのですが、指導員に強引にアマチュア修斗の試合に参加させられます。そして参加したトーナメントの1回戦、廻の相手は喬でした…。
3.そもそも総合格闘技や修斗とは?
そもそも「総合格闘技」とは、自由度の高いルールの中で、打撃、投げ技、寝技、関節技などの攻撃によって勝敗を争う格闘技を言います。海外では、MMA(=Mixed Martial Arts)と呼ばれいます。ボクシングやキックボクシングの打撃の立ち技技術、レスリングの組技技術、 柔道、柔術のグランド技術など多くの技術が必要とされます。
総合格闘技という言葉が浸透しだしたのは、1990年代ではないでしょうか。それまでは、あまり使われることが無かった言葉です。ボクシング、キック、柔道、プロレスなど、はじめは異種格闘技戦から始まり、そのルールの中で勝つためには?と技術が進化していった感じがします。
「修斗(しゅうと)」は、日本の総合格闘技の競技団体の1つです。今はスポーツジム感覚で通える総合格闘技のジムも増えていますが、一般的の人には余り馴染がない世界です。
美術部の高校生・廻は、空手をやっていたこともあり、何となくジムに入門し、放課後に練習していたのですが、試合に出て負けて、悔しさから、練習が熱が入ってきます。
4.漫画としての評価はイマイチかも
私は格闘漫画好きですし、自分もやっていたので『オールラウンダー廻』を、面白く読めたのですが、特に格闘技が好きでもない漫画好きにとっては、面白い漫画なのか、ちょっとわかりません(笑)。
物語の大部分は試合のシーンで、技の入り方、フェイントなどの攻防で、主人公・廻も格闘技以外の場面はけっこう淡泊に描かれており、その他の登場人物もあまり感情移入ができません。キャラクターが確立するためか、各人の生い立ちもちょっと暗いです。それいらないなぁ…という余計な設定も多いです。
5.まとめ
一般的な漫画としての面白さはイマイチですが(ちょっと辛口ですかね)、格闘技、特にアマチュア修斗に興味がある人には面白い漫画です。