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マンガ大好きユキチです。
今回は、空手漫画『空手小公子 小日向海流』を、ご紹介させて頂きます。
タイトルは簡単に読めそうで読みにくい「からてしょうこうし こひなたみのる」と読みます(笑)。格闘のシリアスな展開に、適度にギャクがミックスさせて、飽きずに楽しめる格闘漫画です。
1.『空手小公子 小日向海流』の基本情報
著者 | 馬場康誌 |
出版社 | 講談社 |
連載雑誌 | 週刊ヤングマガジン |
掲載期間 | 2000年~2012年 |
巻数 | 全50巻 |
馬場康誌(ばばやすし)さんは、1994年デビューの漫画家さんです。格闘技の経験はわかりませんが、格闘技観戦は大好きなようです。2000年前後は立ち技格闘技トーナメント「K-1」の人気絶頂期ですから、『空手小公子 小日向海流』も「K-1」の影響をかなり受けてます。実在の選手をモデルにした登場人物も多く、今読んでみると「いたなぁ~」と懐かしいです(笑)。
なぜ「小公子」なのか、そもそも一般人は「小公子」という言葉を使う機会はないので、タイトルが分かりにくくなっていると思うのですが、小さな貴族という意味のようです。主人公がキックボクシングに参戦した時に、勝手につけられた愛称が「空手小公子」です。
2.『空手小公子 小日向海流』のあらすじ
スポーツは一流、偏差値四流の体育大学・嶺南大学の一年生、小日向海流(こひなたみのる)は、体操部に所属していましたが、体操部のクビになり、先輩にイジメられていたところを、助けられた、第二空手部の暴れ者・武藤竜二に惹かれ、第二空手部に入部します。
第二空手部の流派は、顔面打撃や肘打ちがある実践空手・鏑木流空手です。海流は、体操で培ったバネと、天性の格闘センスで徐々に強くなっていきます。
3.コメディ漫画として脇役がいい!
馬場さんの画はうまく、登場する女性達も魅力的です。空手中心の格闘漫画と思いきや、ギャク、笑いも随所に盛り込まれており飽きません。主人公の海流は、どちらかというと、のんびりした天然系の大学生でちょっと影が薄いのですが、それは、脇役が魅力的だからです。脇役を何人か紹介してみます。
南広樹(第二空手部・主将)
得意技は土下座。痔持ち。就職活動で唯一内定をもらった会社に行ってみたところ、AV制作会社で危うく男優に。鏑木流の全国大会前に山籠もりをしたが、毒キノコに当たってしまい、ハイな状態で試合をすることに。
隠れた裏主人公といわれるほどの魅力的なキャラですが、実は空手の実力も相当で…と分かってくるのは物語の終盤です。
霞才蔵(本名・高倉広志)
唯一の忍術部員だったが廃部となり第二空手部に入部。祖父から習った忍術を試合でも使ってしまう。唯一の内定企業が、南と同じAV制作会社だったが、しっかりと入社しています。
4.まとめ
後半は、空手の流派の分裂や、興行、タイ人キックボクサーの八百長など、格闘技界のダークなところも描いていておもしろいです。全50巻は長大ですが、物語は海流が大学を卒業するまでの4年弱の物語です。クスッと笑え、肩の力を抜いて読める格闘漫画です。