いつもありがとうございます。
マンガ大好きユキチです。
今回は、なぎなた漫画『あさひなぐ』を、ご紹介させて頂きます。
はじめ「なぎなた」は、漢字で「薙刀」と書いて問題ないと思っていたのですが、古武道の『薙刀術』、また武器としての「薙刀」と区別するため、現代武道としての競技名は「なぎなた」とひらがな書きが正しいようです。
女子高生のなぎなた漫画、想像していた以上に面白くて、2日かけて全巻一気に読んでしまいました(ひまじんです…)
1.『あさひなぐ』の基本情報
著者 | こざき亜衣 |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | ビックコミックスピリッツ |
掲載期間 | 2011年~2020年 |
巻数 | 全34巻 |
こざき亜衣さんは、2007年にデビューし結婚してお子さんもいます。『あさひなぐ』は、こざき亜衣さんが、友人から「中学のときに薙刀をやっていた」という話を聞いて、おもしろそう!と、なぎなたテーマにした漫画にしたようです。
漫画のタイトル『あさひなぐ』は、主人公の女子高生・旭(あさひ)が、薙刀で、薙ぐ(横に払って切るのこと)という意味です。
2.『あさひなぐ』のあらすじ
二ツ坂高校一年生・東島旭(とうじまあさひ)は、中学では美術部でしたが、だまされた感じで、薙刀部に体験に行き「薙刀は、スポーツに縁が無かった人でも、ある日突然、全国にその名を轟かすことができる、高校部活界のアメリカンドリーム!」と煽られ、薙刀部に入部します。
一緒に入部した一年生は、剣道経験者で勝気で粗暴な八十村将子(やそむらしょうこ)と、バレーボール経験者で長身、若干天然だが器用な紺野さくらです。3人はキツイ練習に耐えて、薙刀がどんな競技がわからないまま、インターハイ予選が始まります。
3.「薙刀(なぎなた)」とは?
薙刀は、鎌倉、室町時代の歩兵の主力武器です。武蔵坊弁慶のイラストは必ずと言っていいほど薙刀を持ってますね(笑)。そんな薙刀も、戦国時代に入ってからは集団戦が多くなり、武器の主力は、扱いやすい刀や槍に変わっていったようです。
詳しくは、全日本なぎなた連盟のサイトに、なぎなたの説明動画ありました。
4.『あさひなぐ』の面白さ
『あさひなぐ』の面白さをいくつか挙げてみます。
1.楽しく爽やかな本格スポ根漫画
女子高生が主人公で、登場人物達のほとんどが女性です(男は数人)。色恋沙汰は少しは出てきますが、話はほとんど薙刀中心の生活を起こっている部活女子の話です。運動音痴で背も低く非力で期待されていない主人公・旭ですが、意外と気持ちが強くて根性もあり・・・と徐々に上達していきます。描かれているのは気合と根性のスポ根漫画なのですが、そう思わせない爽やかさと、笑いで、楽しく読めるのがいいです。
2.登場人物達の内面の描写が丁寧
男女差別ではありませんが、最近、スポーツ漫画の登場人物達の心の葛藤など、繊細な心理描写は、男よりも、女性漫画家の方が上だと思っています。剣道経験者の将子や、何事も器用にこなしてしまうさくらも、それぞれ自分の成長に苛立ち、葛藤を抱えて薙刀を続けていきます。主人公・旭はただただ努力なのですが、部をまとめる部長の悩みや、部活と勉強の両立など、高校生の精神面の成長も描かれています。
3.なぎなた道(好き)が描かれている
武道という言葉は、使う人によって胡散臭さを感じる言葉です。強さを直視しないで武を語らずに道ばかり説く武道が多いからですが、『あさひなぐ』のなぎなた道の描き方は、ほどよくて心地いいです。武道スポーツ・なぎなたを高校の部活として終えてしまう人もいれば、薙刀が好きになり、何かしら関わりながら生活の潤いとして、なぎなた道(好き)を続ける人。そんな人のそれぞれの道も描かれています。
5.まとめ
読み始めてから、徐々に面白さが増し、ピークでしっかり最良の終わり方をしている漫画です。続きが読みたい!強く思う反面、大円満のラストを壊しくたくないから、やっぱ続きは読みたくない!と(笑)。