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マンガ大好きユキチです。
今回はエンタメ小説、柴田哲孝さんの有賀雄二郎シリーズを、ご紹介させて頂きます。
柴田哲孝さんの小説、特に、このルポライター・有賀雄二郎シリーズは、UMA(未確認動物)が題材です。幼いころから雪男、ネッシー、ヒバゴン(笑)などに憧れた私ですが、最近は映像技術の進化で、作られたUMA映像がちまたに溢れており、UMAの神秘感はちょっと減ってしまっています。
有賀雄二郎が、日本のUMAに迫っていく、ハラハラドキドキの娯楽小説。有賀雄二郎も各巻毎に年を取っていますので、若い頃から順にご紹介させてさせて頂きます。
『KAPPA』=河童?
ブラックバスを釣りに来た男が、上半身を引きちぎられた死体で発見された。猟奇殺人なのか?地元署の捜査は混迷し捜査は難航。宿無しルポライター・有賀雄二郎と、引退間際の老漁師、引きこもりの少年、はみ出し者の田舎刑事が、事件の謎を解くため活躍する。
事件現場は茨城県の牛久沼です。現実の牛久沼も河童の伝説が残る沼です。河童がついに姿を現したのか?河童の正体は何なのか?と楽しめます。漫画『釣りキチ三平』が好きな方にもおすすめです(笑)。
『RYU』 =竜?
ある日、有賀雄二郎の元に届いた一通の手紙。同封された不鮮明な写真には、巨大生物らしき奇妙な物体が写っていた。その正体は、いったい何なのか。しかも写真を撮った米兵は、行方不明になっているという…。
物語の舞台は竜の伝説が残る沖縄北部の村です。米軍も絡んできて…と、今回の生物の正体は何なのか?と、先読みしたくなる気持ちを押さえて読んだ方が面白いです(笑)。このシリーズは、雄二郎と愛犬ジャックのいい関係に魅かれます。
『TENGU』 =天狗?
中央通信の道平記者は26年前に群馬の寒村を襲った連続殺人事件の捜査資料と対面し、再び動き出す。凄惨きわまりない他殺体の写真と唯一の物証である犯人の体毛。当時なかったDNA鑑定を行なうと意外な事実が……。天狗伝説の真相とは!?
有賀雄二郎シリーズでは一番好きな、荒唐無稽ながら娯楽小説です。しかし、事件の裏に隠された物語はちょっと悲惨でもの悲しいです。DNAの鑑定結果は、UMA好きなら、どこかで出会った話で、そこに繋げるか!とうれしくなりました。
『DANCER』 =謎の動物?
闇夜に遺伝子工学の研究所から姿を消した謎の生命体“ダンサー”。正体不明の男につきまとわれる美しき踊り子・志麻子。やがて彼女の周囲で猟奇的な連続殺人が起こる…
今回は、UMAではなく、人間のエゴが生み出した怪物”ダンサー”です。狂暴で残忍なダンサーですが、徐々に悲しい生き物であることがわかります。有賀の息子も登場。ジャックファンになった人には悲しい展開が待っています。
『WOLF』 =日本狼?
狼伝説の残る奥秩父・両神山で、家畜が謎の巨大獣に襲われる事件が発生。やがて被害は人間にも及ぶ。有賀は息子の雄輝と共に奥山に入り調査を開始。カナダの大学で森林科学を学ぶ雄輝は、被害の様子をみてニホンオオカミではないかと仮説を立てる…。
実際の両神山周辺は、今でもニホンオオカミが生息しているとの噂が絶えない地域です。絶滅動物が生き残っていた!系の話、私が好きなので一気読みでした。ラストもいいです。
いかがでしたか?徐々に読んでいくと、有賀雄二郎のファンになってしまいます。『KAPPA』で33歳だった有賀雄二郎も、『WOLF』では55歳。しかも『WOLF』発表が2014年。柴田さん、そろそろ、有賀雄二郎シリーズの最新刊を描いてくれませんか?