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マンガ大好きユキチです。
今回は、あだち充さんの現在連載中の漫画『MIX』を、ご紹介させていただきます。
あだち充さんの作品は、登場人物の顔はほぼ一緒で見分けがつかなく、ストーリーも三角関係を絡めた青春恋愛ものでほぼワンパターン。普通はマンネリでイマイチな漫画になるのですが、なぜか面白くて、楽しめてしまう…あだちマジックにハマってしまいます。
1.『MIX』の基本情報
著者 | あだち充 |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | グッサン |
掲載期間 | 2012年~ |
巻数 | 既刊17巻 |
あだち充さんは、1951年生まれで1970年の漫画家デビューです。現在70歳!この年齢で未だに若い人にも支持される漫画を描いている超人です。ただ先ほど、登場人物が皆同じ顔と書きましたが、あだちさんはインタビューで、変な癖がつかないように、なるべく自分の好きな絵に近づくように、微修正を繰り返し、常に画を更新し続けているとのことでした。大変失礼しました。
漫画のタイトル『MIX』の意味は、あだち充さんが作家人生でやってきた、色々なことを放り込んでミックスしてみようという意味とのことです。
2.『MIX』のあらすじ
主人公は、立花投馬(とうま)・立花走一郎(そういちろう)・立花音美(おとみ)の3人兄妹です。母を亡くした投馬の父と、父を亡くした走一郎と妹・音美の母が再婚して、3人は義兄妹となりました。
3人は明青学園中等部に通い、2年生の投馬と走一郎は野球部に所属。明青学園高等部の野球部は、26年前に甲子園初出場初優勝の面影はなく、中等部野球部も同じように長く低迷を続けています。投馬がピッチャー、走一郎がキャッチャーとして、幼い頃からバッテリーを組んでいた2人。
そんな野球部ですが、影響力を持つOBの息子の3年生・二階堂大輔が、エースとして起用され続け、明らかに能力の高い投馬はサードを守り、ピッチャーをやらせてもらえない状態が続いています。鬱屈した気持ちを抱えた2人は、高校は他校に進学することを考え始めます…。
3.明青学園野球部の初優勝とは?
明青学園野球部は、あだち充さんの野球漫画『タッチ』の主人公・上杉達也がピッチャーの野球部です。実際の『タッチ』は、1986年に連載終了ですから、しっかり26年後の明青学園を描いているのが『MIX』となります。
『タッチ』の中で、明青学園は地区予選決勝で優勝します。甲子園出場を決めた試合までは、漫画の中でしっかり描かれていますが、甲子園での試合場面、結果は描かれていません。入場行進の場面で甲子園のシーンは終わってしまい、そのあとは受験勉強に励む達也達の姿が描かれているだけです。
しかし、有名な『タッチ』のラストシーン、達也の部屋に飾られた優勝記念品によって、読者は明青学園が甲子園で優勝したことを知ります。
(「MIX」1巻記念、明青学園優勝皿クリアファイルから引用)
4.『MIX』には『タッチ』の登場人物を期待
『タッチ』を先に読んだことがある人だと、どうしても期待してしまうのが、『タッチ』の登場人物達の26年後の姿です。はたして、上杉達也と朝倉南は結婚しているのか?もしくは、二人の子供がそのうち明青学園に出てくるのではないか?などです。
あだち充さんは、この読者の心情をインタビューで「ヘンに裏切ったりするのはイヤだし、読者の想像を刺激する部分は刺激させてあげようという感じですかね」と答えています。期待していいのか、期待しない方がいいのか、うまい回答ですが、しっかり、まさかのあの人が登場してきます(笑)。
※『タッチ』試し読みできます。
5.まとめ
「ゲッサン」は月刊なので、物語の展開は遅いです。また、投馬と走一郎もまだ高校2年ですので、前向きに『MIX』は、あと数年は楽しめる漫画です。投馬と義理の妹・音美の関係は、まちがいなく、『みゆき』からのMIXですね(笑)