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マンガ大好きユキチです。
今回は大学生の就職活動を描いた漫画、原秀則さんの『SOMEDAY』を、ご紹介させて頂きます。
主人公は就職活動を始めた大学3年生です。
1.『SOMEDAY』の基本情報
著者 | 原秀則 |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | 週刊ヤングサンデー |
掲載期間 | 1997年~1999年 |
巻数 | 全8巻 |
私が好きな原秀則さんの漫画です。連載は20年以上前!バブル崩壊が1992-93年頃と言われていますので、まさに、就職氷河期ど真ん中の大学生の就職活動と恋を描いた物語です。
『冬物語』(1987~1990年)、『部屋においでよ』(1990~1994年)、『いつでも夢を』(1994~1997年)、『SOMEDAY』(1997~1999年)と、連続連載した4作品は、原秀則さんが、最も脂が乗っていた頃に描かれた青春4部作と言えます。
2.『SOMEDAY』のあらすじ
大学3年の唐沢周と恋人の絵里香は就職活動を始め出します。帰国子女の絵里香は、外資系や映画会社を中心に、しかし周は、サークルの仲間達が就活を始める中、やりたい仕事が見つからず、就活に出遅れています。
それでも、慣れるためと、OB訪問をはじめる周ですが、勝負どころに弱いことや、器用に嘘をつくこともできず、気持ちも入っていないこともあり、面接や試験で失敗し続けます。なかなか内定が取れない周と絵里香の仲も、次第にすれ違いが起こってきます。はたして、2人の就職と恋愛はどうなっていくのでしょうか?
3.やりたい仕事がなく苦労する就活
ほとんどの就職活動をしてる大学3年生は、明確にここの会社に行きたい!と思っている人は少ないと思います。(私がそうでしたし、実際、会社に入ってみると、学生時代に思い描いていた仕事とはかなり違いました)。
会社もですが、業種さえ絞り込めていない周の就活はうまくいきません。慣れるためと、希望でもない会社のOB訪問を行い、そんな魂胆をOBに見透かされて舌打ちされる周。OBは悪人顔で描かれていますが、どう考えても周がダメな大学生です。
そんな周ですが、偶然に引き込まれたアルバイトを通して、自分のやりたいことが、少しずつ見つかっていきます。
4.しっかり娘と優柔不断男のペアですが…
作者・原秀則さんは、優柔不断な青年としっかり者の娘の恋愛が好きなようで、過去の恋愛作品は、ほぼこのパターンです。『SOMEDAY』でも、周と絵里香はそんな関係で、なかなか内定をもらえない周は、いつしか絵里香に引け目を感じて関係がギクシャクしてきます。
そんな時、周は、就活中に内定ゼロ同士として仲良くなった、石川舞と急接近していきます。
あんなにいい彼女(絵里香)がいるのに!と思ってしまうのですが、原秀則さんの描く女性は可愛くて、石川舞もいい娘なんですよね。
5.まとめ
今の就活がどうかは分かりませんが、当時は自分とリンクさせながらこの漫画を読んでました。この時代、パソコンも普及してなく、分厚い就職ガイダンスが段ボールで郵送されてきて、その中の会社案内から手書きのエントリーシートを郵送していました。
そんな描写に現在の就活との時代差は感じますが、大学生が自分の仕事を選んでいく過程は、昔も今もほぼ変わりません。
仕事とはなにか?選ぶ会社に何を求めるのか?と考えさせられ、周と絵里香の恋愛模様の移り変わりも楽しめます。