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マンガ大好きユキチです。
今回は、吉田聡さんの『スローニン』を、ご紹介させて頂きます。『スローニン』は、漢字で書くと「素浪人」で、「生地を離れて諸国を流浪している浪人、特にお金が一銭もない(素寒貧)浪人」という意味です。
いいタイトルつけますね(笑)。
2人の主人公、「ラッキュー」と「コッセツ」が引き起こす、友情あり、笑いあり、涙ありの再起の物語です。
1.『スローニン』の基本情報
著者 | 吉田 聡 |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | ビッグコミックスピリッツ |
掲載期間 | 1987年~1988年 |
巻数 | 全4巻 |
吉田聡さんは、初めての連載『湘南爆走族』が大ヒットして、その後、コンスタントに作品を書き続けているベテランの漫画家さんです。スタジオジブリの宮崎駿さんも吉田聡さんのファンで、他の吉田作品のあとがきに「吉田聡はドン・キホーテである」と書いています。
※吉田の”吉”は、上部の土の字の下が長い吉です。文字化けするため”吉”にしています。
参考)『湘南爆走族』です。
2.『スローニン』のあらすじ
図書館の帰りに、チンピラに絡まれていた浪人生・ラッキューを、”なんでも屋”をやりながら、無銭旅行をしている、素浪人のコッセツが助けます。
(スローニン1巻から引用)
海岸通りの町のラッキューの下宿先に、無理矢理転がり込んだコッセツは、ラッキューとともに、”なんでも屋”をやりながら、仕事の依頼を通して、様々な出会いや出来事により、過去に向き合って、自らの足で再び立ち上がっていきます。
3.浪人生・ラッキュー
ラッキューは、タバコ屋の2階に下宿している2浪中の浪人生です。本名は諏訪大吉。正義感は強いが神経質な元高校球児(9番ライト)です。ラッキューは、甲子園の決勝9回に、守備についたライトで、最後のフライを落球する大エラーを起こしてしまいます。チームは逆転負けし、これがトラウマになり、今でも悪夢にうなされています。
(スローニン1巻から引用)
この大エラーで、ついたあだ名がラッキュー。本人は気に入っていないあだ名ですが、下宿のおばちゃんや、おばちゃんの孫のあつ子にも、「ラッキューさん」と呼ばれています。
4.素浪人・コッセツ
コッセツ、本名は武藤兵庫。身長198cm体重100kgの大男です。高校時代は、けた外れのパワーと、天才的なプレーで、世界を代表するラガーマンになると将来を嘱望される男でした。しかし、高校の最後の試合で、ゴールポストに激突、選手達の下敷きになり、右足大腿骨複雑骨折、右肩脱臼、上腕粉砕骨折、左手首複雑骨折、両足首アキレス腱断絶などの大怪我からラグビーを引退しました。
今は、”何でも屋”をしながら、素浪人をしている明るいお調子者です。下宿のタバコ屋が火事になった時には、風呂桶にみずを溜めて、消火をしてしまう超人的なパワーの持ち主です。
(スローニン1巻から引用)
5.”なんでも屋”への依頼
”何でも屋”にくる依頼に対して、ラッキューとコッセツは、全力で答えていきます。全4巻ですので、依頼数は多くないですが、すべて熱く、ジーンと胸にくる感動話です。依頼名だけあげてみます。
・小学4年生から「ある人を殺してほしい」という依頼
・屋台のおでん屋のおばちゃんから、埋蔵金探しの手伝いの依頼
・チンピラからトラック1杯分の白菜の仕入れ依頼
書いてしまうと、簡単そうな依頼ですね(笑)。
6.まとめ
『スローニン』のテーマは再起です。落球をいつまでも気にしているラッキュー。高校ラグビーの大スターで大怪我をしたコッセツ。この2人が、どのように再起し、前に進んでいくかが見どころです。またこの物語は、ラッキューとコッセツ2人と、仲間達の友情物語でもあります。
(スローニン4巻から引用)
全4巻なのでコンパクトにまとめられており、最後はコッセツの元恋人からの依頼です。この依頼も切ないのですが、そこから再起していくコッセツ。笑えて、泣ける感動の漫画です。