いつもありがとうございます。
マンガ大好きユキチです。
今回は、二ノ宮和子さんの漫画『87CLOCKERS』を、ご紹介させていただきます。
そもそも漫画のタイトル『87CLOCKERS(エイティセブン クロッカーズ)』が難解です(笑)。タイトルからどんな漫画か内容がまったくわかりませんでした。ただ、読み進めていくと、マニアにはピンと来るんだろうな…とか思ったりします。しかし、87の意味は、だいぶ後半までわかりませんでした。
1.『87CLOCKERS』の基本情報
著者 | 二ノ宮和子 |
出版社 | 集英社 |
連載雑誌 | ジャンプ改 → 週刊ヤングジャンプ |
掲載期間 | 2011年~2016年 |
巻数 | 全9巻 |
二ノ宮和子さんが、『のだめカンタービレ』の終了後に連載を始めた作品です。「ジャンプ改」は、ヤングジャンプの月刊誌という位置づけだったようですが、私は読んでこなかったです。
87はともかく、タイトルの「CLOCKERS(クロッカーズ)」は、オーバークロック(Overclocking)をする人の呼び名だそうです。私はこの漫画を読むまで、オーバークロックと言うものを知りませんでした。おそらく大多数の人がそうだと思います。
マニアックなオーバークロックの世界を漫画にしてしまい、ど素人の私に理解させ、しかも面白い。二ノ宮さんはさすがです。
2.オーバークロックとは?
そもそものオーバークロックですが、意味は、自作のコンピュータなどで、CPUやメモリなどの性能を引き上げ、定格のクロック(信号)を超える(オーバー)高いクロックで、コンピューターを作動させることだそうです。簡単に言うと、PCを改造し処理を上げることですね。「オーバークロックレース」は、「PCのF1レース」とも呼ばれ、世界大会も行われているようです。
参考)世界大会の様子です。
二ノ宮さんがこの『87CLOCKERS』を描いたきっかけは、旦那さんのバンド仲間が、オーバークロックやっており「何それっ?」って興味がわいたのがはじまりだそうです。
3.『87CLOCKERS』のあらすじ
人生の岐路は、ある日突然やってくる…。
一ノ瀬奏(いちのせかなで)ヴァイオリン専攻の音大の3年生。競争ごとが嫌な草食系男子です。入学当初は、教授の期待も高かったのですが、コンクールへの出場を3年間、逃げ回っているうちに、教授からは何も言われなくなり、向上心の強い同級生達からは相手にされていません。
雪の夜、奏は裸足でアパートの外に立っていた女性(中村ハナ)に一目惚れします。
ハナは大学3年生で、そのアパートに住む世界的なオーバークロッカー・ミケを全力でサポートしていたのでした。内職やアルバイトで稼いだお金もミケのオーバークロックにつぎ込むハナ。奏はハナが虐げられていると思い込み、彼女を助けるためにオーバークロックの世界へ入っていくのでした。
4.『87CLOCKERS』は、草食男子・奏の成長物語
争いごと、競争が嫌いな草食系男子の奏。卒業後の進路も、労せず母親のピアノ教室に決まってしまいます。そんな奏が、ハナを好きになった勢いで、オーバークロックのペアとして「僕が一番になったら彼(ミケ)と別れて僕と組んでくれますか!?」と、競争に世界に入っていきます。
奏は早速、オーバークロックをはじめるため、部品を買いに秋葉原に向かうのですが、そこに集まるマニアックな人達と出会います。不自由ない生活で競争もせず、熱中することがなかった奏が、オーバークロックの世界にのめり込みながら、人として成長していくろころが面白いです。
読み始めは、オーバークロック…難しそうだなぁと思うのですが、意外にアナログに描かれているので、素人でも理解しやすいです。
5.ミケ、ハナ、奏の三角関係の行方は?
オーバークロックの世界記録保持者のミケは、ドSのオレ様系のキャラです。はじめ、ミケとハナが恋人同士かと思えるのですが、実はミケにはその気がなく、ハナがミケ魅かれて、進んで手伝いをしている関係です。
そんなハナを好きになってしまった奏。三人の関係がどうなっていくのか、ラブコメ漫画の王道的展開が楽しめます。また、途中、ミケの少年時代も描かれており、ただのドSではないことがわかります。
6.まとめ
物語のラストは、「エッ、そっち?!」と思いつつ納得できる満足のラストです。
主人公の3人以上に、奏の母親や妹、部品を買うためにキャバ嬢をしている女子大生、仕事もせずオーバークロックにハマっているニート夫婦など、脇役が楽しいところも、この漫画が面白い理由です。