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マンガ大好きユキチです。
今回はスポ根ではない、一味違う野球漫画『ラストイニング』を、ご紹介させて頂きます。
主人公は選手達ではなく、異色の経歴の監督です。甲子園に行くには何をすればいいか?ロジカルに勝負していく、おもしろい野球漫画です。
1.『ラストイニング』の基本情報
著者 | 原作:神尾龍、作画:中原裕 |
出版社 | 小学館 |
連載雑誌 | ビックコミックスピリッツ |
掲載期間 | 2004年~2014年 |
巻数 | 全44巻 |
タイトルを正確に書くと、『ラストニング 私立彩珠学院高校野球部の逆襲』となります。作画の漫画家・中原裕(なかはらゆう)さんは、中澤秀樹さん、田島裕之さん二人のコンビの漫画家のペンネームです。原作者は神尾龍さんは、脚本家の上代務さんが漫画の原作者として活動するときのペンネームです。
参考)駅伝漫画『奈緒子』も中原裕さんの作品です。
2.『ラストイニングのあらすじ』
インチキ健康ドリンクのセールスマン・鳩ヶ谷圭輔(はとがやけいすけ)は、勤めていた会社が悪徳商法で摘発され、上司に責任を擦り付けられて留置所送りとなります。
その頃、夏の甲子園・埼玉県予選では、過去に甲子園で初出場初優勝したことがある彩珠学院高校が初戦で敗れます。名門と言われた彩学野球部も昔の話で今は弱小。彩学の経営も悪化の一途をたどっています。
彩学理事会は経営再建のため、広大な専用グラウンドを持つ弱小野球部の廃部を決定しますが、かつて彩学が甲子園で優勝したときの主将だった校長は、理事長に掛け合い、来年の夏までに甲子園に出場できれば、野球部の存続を認めることを約束してもらいます。
甲子園出場のため、校長が目を付けたのが、13年前に彩学野球部のキャプテンだった鳩ヶ谷です。校長は留置場の鳩ヶ谷に面会に行き、野球部の監督を依頼します。職を失い、恋人に有り金も持ち逃げされて、すべてを失った鳩ヶ谷は監督を引き受けます。
3.鳩ケ谷監督の過去
インチキセールスマンの鳩ケ谷ですが、高校時代は彩学野球部のキャプテンで捕手として、近隣では有名な選手でした。県予選の準々決勝、きわどいボールを納得のいかない判定で敗北してしまいます。
試合後、鳩ケ谷は審判に詰め寄りますが、高校球児らしからぬ態度に、ボール判定としたこと。また、高校野球は結果が全てではなく、負けることも勉強と言われ、激高して審判を殴った過去があります。
その後の幡ヶ谷は、高校野球が忘れられず、流れ流れて、さらに、野球のデータ、分析を重視する考え方を身に付けます。
4.選手を3タイプに分けて分析
彩学野球部の監督になった鳩ヶ谷は、はじめに、チームの選手達を分析していきます。選手達を、DCMでタイプ分けし、それぞれに合った指導をしていきます。DCMは、人の特徴を、三種類の動物に例えたものです。
D(ドック)…犬。従順でよく言うことを聞いて、集団性を重んじるタイプ
C(キャット)・・・猫。気まぐれだが個人能力は高いタイプ
M(モンキー)・・・猿。計算高く、表も裏も思考が回るタイプ
自分のチームの戦力を知り、それぞれがタイプの選手が成長していく指導をしていくとともに、不足しているタイプの選手を補給したりします。漫画でこんな監督には出会ったことはないですね。
5.まとめ
甲子園に出場するために何が必要か、勝つためには?と戦略を立てる鳩ケ谷の考え方は、高校野球漫画としては俊逸でおもしろいです。また、そんな鳩ケ谷監督に対して、対戦相手の監督も、それぞれ独自の理論をもった監督達が登場してきます。
そんな彩学野球部ですが、すんなりと勝ち進める訳ではなく、過去、鳩ケ谷が殴った審判が出てきたり、鳩ケ谷の前職を嗅ぎ回すマスコミなど、野球以外の外野のゴタゴタも描かれています。
高校野球漫画に飽きた方に、おすすめの高校野球漫画です。