漫画『自殺島』 自殺常習者達が島流しにされた南海の孤島でサバイバル生活。過酷な暮らしの中で見つける絶望と希望!

いつもありがとうございます。

マンガ大好きユキチです。

今回は、サバイバル漫画『自殺島』を、ご紹介させていただきます。

ただのサバイバルではなく、生きる希望を無くした自殺未遂の常習者達のサバイバルです。そもそも、自殺未遂者がサバイバルするのか?と、漫画でしか読めない設定ですね。

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1.『自殺島』の基本情報

著者 森恒二
出版社 白泉社
連載雑誌 ヤングアニマル
掲載期間 2008年~2016年
巻数 全17巻

作者の森恒二さんは、この漫画を描くために南の島に行き、海に潜って魚を突いたり、猟師と山に入って狩猟をしたり、サバイバル生活をよりリアルに描けるように実体験をされたようです。

森さんの描く主人公は、線が細く、一見、弱々しい感じです。逆にその画風が、登場人物の再起や、成長の物語に合っているようで、森さんの他の作品も、そんな展開が多いです。

2.『自殺島』のあらすじ

自殺未遂を繰り返す主人公・セイは、病院のベッドの上で、”生きる義務と権利”を、放棄する書類にサインをして意識を失います。

再びセイが目を覚ました時、自分がいる場所が、自殺を繰り返す“常習者”が、島流しにされる「自殺島」の港であることを知ります。

日本政府は、年々増え続ける自殺者の医療や社会復帰費用を支えきれなくなり、自殺常習者を島流しすることを決定したのでした。

(自殺島1巻から引用)

再び自殺を考えたセイですが、その直後、港の廃墟から飛び降り自殺した自殺者のおぞましい姿を見て、セイは自殺することを思いとどまります。“死ねないなら、生きるしか…ない”と、消極的ながら、南海の孤島で生活をしていくことにします。

3.野生のシカに出会い、生きる力を取り戻す

島はもともとは人が住んでいたようで、食料以外の最低限の生活必需品は残っています。生きることを選んだ自殺未遂者達は、食料確保のため狩猟採取生活をしていくことになります。

セイは孤独な高校生時代に、図書館で声をかけられて親しくなった、弓道部の先輩から聞いた弓矢の話を思い出して弓作りに励みます。そして、森で出会った生気に満ちた野生の鹿を追って、なぜ生きるのか?を確かめるために山に入ります。

(自殺島2巻から引用)

そして、無垢な存在、鹿を仕留め、自分がいくつもの命の上に生きていることを知り、生きることを決意します。

(自殺島2巻から引用)

4.孤島で生き残るための困難

孤島の生活ですので、狩猟採取の困難さはもちろんですが、人間同士の軋轢、人間関係のサバイバルも多く描かれています。そんな困難をいくつかを挙げてみます。

4-1.自殺島からは脱出できない

自殺島を脱出しようと、セイ達のグループのリーダー・リョウが、数名の仲間と手作りの筏を作り、水と食料を乗せて島を出航します。しかし、数日後、彼らは壊れた筏とととに、浜に漂着しているところを発見されます。生き残ったリョウが語った衝撃の内容は…。

4-2.無法者サワダとの抗争

島の港側のもう1つのグループを恐怖で支配しているサワダ。刺激だけを求めて、何度もセイ達のグループを攻撃してきます。サワダとの対決無くして、島では生き残れない状況になってきます。

4-3.その他の妨害者

サワダほどではないですが、「どうせ死ぬんだ!」と、自己中で自分勝手な行動をとる自殺常習者達が数多く出てきます。リョウとともに、グループのもう一人の支柱だったカイも、かなりサイコパスな男で、人の感情をコントロールしていきます。

5.まとめ

生きることを選んだ元自殺常習者達。本当の自殺常習者が、誰もが必要とされる小さな共同体で、自給自足の生活を送ることで、生きる希望が湧いてくるかはわかりません。しかし、読んでいると、生きることを選んだセイ達を応援してしまいます。

新しい生命の誕生や、セイの恋、自殺常習者を装い自殺島を取材するジャーナリストなど、自殺島に生きる若者達の行く末が気になった方はぜひ一読ください。

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