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マンガ大好きユキチです。
今回は、私が読んだ、おすすめのボクシング漫画ランキングのベスト20を、ご紹介させていただきます。
現在、日本のボクシング界は、WBA・IBF世界バンタム級王者で世界3階級制覇中の井上尚弥(いのうえなおや)選手を中心に回ってます。華やかなリングとはうらはらに、プロボクシングの世界は課題も多いです。
競技団体は、WBAだけだったものがWBC、WBO、IBFと4団体に分かれ、体重別の階級も6階級から17階級まで広がり、さらにWBAでは、正規王者の他にスーパーチャンピオンがいたりして、チャンピオンの価値と質がかなり下がってきています。
また、日本チャンピオンクラスでも、アイバイトをしなければ、食べていけないくらいのファイトマネーで、ボクシングで飯が食えるのは、世界チャンピオンクラスです。
そんな小難しいことは考えずに、楽しめるボクシング漫画を、独断と偏見でランキングにまとめてみました。では、いってみます!
1位:あしたのジョー
◆内容:東京・下町のドヤ街に、ふらりと現れた天涯孤独の少年・矢吹丈(ジョー)。アル中の元ボクサー・丹下段平は、ジョーに天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに育てようとするが、ジョーは乱行を繰り広げた揚げ句、犯罪にも手を染め鑑別所へと送られてしまう。鑑別所のジョーに、段平から手紙が届く…◆
私は、再放送のテレビアニメでハマり、その後、随分経ってから原作漫画を読みました。連載は昭和40年代で、さすがに漫画の中の風景などは歴史を感じますが、今読んでも気にならないのは、私がおっさんだからでしょうか(笑)。
原作・梶原一騎、作画・ちばてつやで面白くない訳ないです。ジョーはもちろんですが、登場人物達それぞれが、不器用に自分の人生を生きている姿がいいです。私は、力石戦の後、ジョーが再起していく展開が一番好きです。
ちなみに、力石徹のモデルになったのは、極真空手の第一回全日本選手権の優勝者、天才空手家・山崎照朝です。
2位:がんばれ元気
◆内容:堀口元気は、プロボクサーの父・シャーク堀口のを影響をうけて、幼い頃からボクシングをはじめた。しかし父親は、後に世界チャンピオンとなる新人・関拳児(せきけんじ)のかませ犬として試合をし、死闘の末この世を去ってしまう。元気は父親の果たせなかった夢・・・世界チャンピオンを目指して歩み出す・・・◆
40年前の連載なので、さすがに時代を感じますが、この漫画も読んでいるうちに古さは気にならなくなります。私が中年だからというよりは、プロボクサーを目指す元気だけでなく、周辺の人達の人生も丁寧に描いているからだと思います。
ボクシングだけではなく、人物もしっかり描けないと『ジョー』と『元気』のボクシング漫画のトップ2は抜けないと思います。親子2代で因縁の相手に挑戦する展開は、野球漫画『メジャー』が受け継いでくれていますね(笑)。
3位:太郎
◆内容:つくし信用金庫に勤務する吉野太郎は、高校を卒業したばかりの新入社員。しかし、遅刻、早退を繰り返し、あるときは顔を腫らして出勤してくる問題ありの新人サラリーマン。実は、太郎は、就業後にボクシングジムに通うプロボクサーでした…◆
太郎が、ボクサーと信金職員を両立させながら成長しているところが面白いです。憧れの先輩との恋の行方も気になります。大団円ラストは完璧です。
参考)『太郎』です。
4位:1ポンドの福音
◆内容:畑中耕作は、その強打から期待されてプロデビューしますが、試合前でも食べることを我慢できず、いつも減量に失敗しては試合に負けています。耕作は食欲の誘惑に負けるたびに教会にいき、恋するシスタ-アンジェラに懺悔を繰り返します。◆
ボクシング漫画というよりもラブコメ漫画として面白いです。度重なる減量失敗から対戦する相手もなく、対戦してくれるのは個性的なキャラの選手ばかりです。そのドタバタが1試合読切りの形で描かれています。大食いでネアカで楽観的な耕作は明らかにボクサーには不向きです(笑)。
畑中耕作の名前は、その頃活躍していたプロボクサー・畑中清詞からだったと思います。恋愛禁止のシスターとの恋の行方が気になって、全4巻は一気に最後まで読んでしまいます。シスター(麻利絵)は、ショートカットで普段着の姿がすごくかわいいです。
5位:はじめの一歩
◆内容:母子家庭のいじめられっ子・幕之内一歩が、プロボクサー鷹村守と出会い、鴨川ボクシングジムに入門。釣り船屋の仕事で鍛えた足腰と腕力、ひたむきな努力で、ボクサーとして、人間として成長していく。◆
連載開始は1989年で既刊128巻、現在も連載継続中の脅威の長編ボクシング漫画です。おもしろいのは間違いないですが、欠点は長すぎることです。申し訳ないですが、私は中だるみを感じて、50巻ぐらいでギブアップしました。作者・森川ジョージさんの意向で、現在は電子書籍版はありません。
6位:KATSU
◆高校に入学した里山活樹(かつき)は、同じクラスの水谷香月(かつき)に近づくために、友人と、香月の父親(元東洋ウェルター級王者)が運営するボクシングジムに入会します。しかし、香月の両親は離婚しており、香月は母親と二人で暮らしていることを入会後に知ります。不純な動機でボクシングをはじめた活樹、ボクシングを嫌いになりたい香月。はたして、二人の運命は・・・◆
あだち充さんはボクシングにも思い入れがあるようで、『タッチ』の主人公・上杉達也もボクシング部に入部していましたね。
活樹と父親の親子関係、あきらめた夢を活樹に寄せる香月、香月のめぐる恋とボクシングのライバル達。と見どころは多いです。また結局のところ、野球もボクシングも関係なく、あだち充さんが描く、スポーツに打ち込む高校生の青春漫画が好きなんだなと再認識しました。
7位:二匹のブル
◆内容:二人の高校生、プロボクサーを目指す太刀川瞭と、暴力団のトップを目指す玄海源。源が瞭が所属する拳闘倶楽部の会長の息子だったことから、ふたりは出会い友情を結びながら、それぞれの世界一を目指す。◆
作画・岩重孝(いわしげ考)さんと、原作・瀬叩龍(雁屋哲)さんの作品です。瞭と源の2人が主人公ですが、この漫画の魅力はまちがいなく玄海源です。まじめな瞭と違い、源は型破りで乱暴者に見えて、実は器が大きく行動力のある男です。そんな二人が、それぞれの世界の実力者達を負かしていく姿が痛快です。
鹿児島出身のいわしげさんは、九州男児の固まりのようなキャラが好きで、この玄海源と、柔道漫画『花マル伝』の鬼塚先輩はよく似ています。
8位:九番目の男
◆内容:九人姉弟の末っ子で九番目の男・橋本健一は、熱心ではないサラリーマン生活を送っています。ある時、ボクサー崩れのサラ金の取り立て屋にノックアウトされてしまいます。仕事に対して、充実感を得ることができない健一は、とりあえず、ボンシングをやってみようと、本を買ってみるのですが…◆
一見軽薄、明るくめげない健一ですが、実は胸に秘めたものは熱いです。憧れの先輩との恋もあり、考えてみると、サラリーマンボクサー『太郎』と同じ設定でした。しかし、こちらはド昭和漫画です(笑)。
参考)『九番目の男』です。
9位:B・B
◆内容:トランペットの演奏はプロ並みの高校生・高樹翎は、B・B(Burning・Blood=燃える血)と呼ばれている。ある夜、暴走族との乱闘で、持ち前のパンチ力で圧倒していたB・Bだったが、最後に現れた森山仁に完敗。B・Bは、森山を倒すことを目的にボクシングをはじめる・・・◆
驚異的な身体能力を持っているB・Bが、一撃必殺の「10cmの爆弾」を生み出し、華麗にボクシング界にデビュー・・・できると思いきや、B・Bの前には困難ばかり待ち受けていて、ちょっと可哀そうになります。そんな読者の同情をよそに、B・Bは、困難を乗り越えて頂点を目指します。
10位:リクドウ
◆内容:10歳の芥生リクは、虐待を続けてきた父親が借金で自殺。引き取った母親もヤクザの愛人で薬物中毒者です。ある時リクは、母親に暴行を繰り返すヤクザを殺してしまいます。その後、児童養護施設で育ち、ボクシングに出会います・・・◆
さすがにやり過ぎなリクの生い立ちに、はじめはドン引きしました。「ボクシング漫画の主人公=不幸な生い立ち」にしたいんだろうけど、暗く重すぎの序盤は、いつ止めようかと読んでました。ただし、リクがボクシングに打ち込むにつれて面白さは増してきます。スピードと迫力、緊張感ある試合シーンが圧巻です。
11位:ライスショルダー
◆内容:女子ボクシングを引退してトレーナーをしているあかねは、ジム会長のから、儲からないため女子ボクシングは、半年以内に客を呼べる選手を見つけてこないと、運営を縮小する告げられます。有望な女子ボクサーを求めて、全国を回っているあかねは、岩手県の田舎の相撲大会で、男たちを圧倒的な力でなぎ倒して優勝する秋野おこめに出会います。◆
女子ボクシング漫画の先駆けではないでしょうか。さすが、マイナースポーツに愛がある漫画家・なかいま強さんです。かわいい顔立ちで、やわらかい岩手弁を使うおとめは、身長193cm、体重92kgの規格外の18歳です。体格もですがパワーも規格外。しかし、性格のやさしいおこめは暴力がきらいです。ボクシング漫画では珍しく、ほんわかと笑え、楽しめる漫画です。
12位:早乙女選手、ひたかくす
◆内容:早乙女八重(17歳)は、容姿端麗な女子高生ですが、腹筋の割れているボクシング関東王者です。そんな早乙女選手が、さえない同級生に恋をしました。さわやかな体育会系ラブコメ漫画◆
クールで強い八重と、やさしい同級生・月島サトルの不器用で、初々しく、可愛らしい恋に、読者は必ず二人を応援してしまいます。サトルはトレーナーとして、八重と2人で五輪代表を目指しますが、大学生、社会人と上には上がいて・・・。スポコンではない、爽やかなボクシング・ラブコメ漫画です。
13位:のぞみ・ウィッチィズ
◆内容:司葉遼太郎(しばりょうたろう)は高校1年生。引っ越してきて新学期から入った転校先の高校で、隣の家に住んでいる江川望(えがわのぞみ)という美少女に出会います。遼太郎は舞台研究会に所属し、ボクシングをテーマとした劇を行なうため、ボクシング部に研修に出され、ボクシングに出会います。◆
ウィッチ=魔女なのですが、なぜ複数形なのか未だわかりません。当初は演劇漫画と思いきや、ボクシング漫画に変わった異色作です。遼太郎と望のラブコメ漫画としてみると面白いです。
14位:天上天下唯我独尊
◆内容:ケンカに明け暮れる日々を送っていた岩城凌。中学3年のある日、ケンカで逮捕されたリョウは、ボクシングジムの会長で保護司でもある須賀のもとへ連れて行かれる。強制されることが大嫌いなリョウはそれに反発するが…◆
もりやまつるさんの作品は、登場人物は基本関西弁で画は個性的で過剰ぎみで、私は結構すきです。不良あがりのボクサーの「成り上がり」の物語ですが、『はじめの一歩』と違って展開が早いです(笑)。
15位:ボク×スター
◆内容:才能も恋人も親友も持っていない、“何もない”高校生・野星(やぼし)。そんな彼が、イジメっ子に命令されるがまま、駅でチンピラに絡まれている女子高生を助けることに◆
まだ始まったばかりのボクシング漫画です。ボクシング漫画としては未知数ですが、漫画としてはすでに面白いです。これからどこまでランキングをあげていくか楽しみです。
参考)『ボク×スター』です。
16位:僕 BOKU
◆内容:悲しいぐらい普通で平凡な高校生・鈴木ひろし。普通であることにコンプレックスを持っているひろしは、普通ではない魅力を持った同級生・天王愛花に魅かれ、ボクシングをはじめます。まったく才能が無いように見えたひろしですが、不可解なKO勝ちを続け「ラッキーパンチ君」と呼ばれ・・・◆
山本康人さんの漫画の登場人物達は、ちょっと過剰で笑え中毒性があります。へっぴり腰でボクシングをしていたひろしが、強くなっていく姿を読んでいくのが楽しいです。ボクシング漫画の魅力というよりは、登場人物達が魅力的です。
17位:ヘヴィ
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◆内容:舞台はニューヨーク。癌で余命一年の老ボクシング・マネージャーは、高校生同士のチャンピオンファイトで闘う、ガイ・ヒューガに出会います。はじめは、ボクサーになることを拒んでいたガイは、ギャングに銃撃された空手家の父親の治療費のために、ボクシングヘヴィ級の世界チャンピオンをめざします◆
最近だと、医者のタイムスリップ漫画『JIN-仁-』が大ヒットした、村上もとかさんの漫画です。スラム街から、娼婦のヒロイン、エイズを発病しているコーチとともに、アメリカン・ドリームを叶える姿を描いています。画は文句ないうまさですが、ちょっと大味感が残念です。
アメリカの高校代表同士の喧嘩・チャンピオンファイトの場面で、落合信彦さんの本『アメリカよ!あめりかよ!』を想い出しました。落合さん(ノビー)もチャンピオンファイトをやっていましたし、空手使いだったなぁ。村上さんも影響を受けたんでしょうね。。。
18位:Monacoの空へ
◆内容:母親を早くに亡くし、ボクシングジムの経営する父親と二人で暮らしている高校1年生・早乙女もなこ。彼女のクラスに沖田空が転校してきます。空は、もなこの父親のボクシングジムに入会します。空は幼いことから、父親からボクシングを教わっており非凡な才能を発揮し出す・・・◆
続編ではないですが、前作『のぞみ・ウィッチィズ 』と物語は繋がっています。ボクシング自体の描き方は『のぞみ』よりも上ですが、ラブコメ度で、ちょっと落ちると思うのは、ヒロインの好みの差でしょうか。
主人公・沖田空の父親の名前は、一条周作で『弥生の大空』の主人公と同じ名前。沖田も『わたしの沖田くん』の沖田の使い回しっぽいし、他にも名前の使いまわしが多いのは、野部さんの意図的なものなのか、読んでいて結構ややこしいです。
19位:シュガー
◆内容:いい加減でお調子者の石川凛は、話の流れでなんとなく、北海道の高校を中退し、上京して板前を目指すことになってしまいます。途中、札幌で父のように慕っていた、火の玉・欣二に再会し、欣二の同居人・レイラにボクシングを教わり欣二と対決します。
上京した凛は、就職先の料亭の近所にある「中尾ボクシングジム」を見つけ入会し、ボクシングを始めます。会長の中尾は天才と言われた無敗の元世界チャンピオンでした‥‥◆
運動神経抜群で、ボクシングの才能がある凛ですが、性格に難ありで、順風満帆といかないところが面白いです。しかし、ボクシングに打ち込み強くなればなるほど、凛の態度が悪くなり、軽薄さが増してきて、なかなか感情移入できません。
そんな『シュガー』は中途半端に終わってますが、続編『RIN』を続けて読むと、凛のことも理解でき、楽しめるボクシング漫画となります。『シュガー』と『RIN』は、続けて読むことをおすすめします。
20位:神様のサウスポー
◆内容:かつて世界を目指し死闘を演じた二人の男(ライバル)がいた。試合後、一人は息を引き取り、もう一人は世界チャンピオンを育てるためにアメリカへと渡った。十年後、アメリカの修道院で育った早坂弾は、亡き父の夢を果たすために日本に帰国。
ライバルだった男の子供、井上旭と美鈴兄妹の家に居候し、旭が経営するジムの所属となり、互いの父が果たせなかった夢、ボクシングの世界チャンピオンを目指す!◆
最近、改めて読み直してみました。若い頃と違って、すれてしまった私には、ちょっとお涙頂戴的展開が多くて、感情移入しにくかったです。
選外:K.O.
◆内容:進学校と落ちこぼれ校が合併した私立高校。おちこぼれ校出身者は制服のワッペンが無く、バカにされ迫害されている。そんな「ワッペンなし組」の一人、沖田恭一は、父親が元プロボクサーだったことを偶然知って、自分も高校でボクシングはやる羽目になり・・・◆
大島やすいちさんの画はホントうまいです。落ちこぼれとバカにされていても、あまり感じていなかった恭一が、ボクシングをすることで、男に成長していく!と思いきや、なかなかボクシングに前向きに取り組まないです(笑)。誰かのために闘っている間に4巻で終わってしまって残念です。
選外:リングにかけろ
◆内容:貧しい家庭に育った高嶺竜児と姉の菊。菊はプロボクサーだった亡き父の遺志を継いで、竜児を鍛え上げる。◆
少年ジャンプを読んで育ったので、もちろん『リンかけ』のファンなのですが、ギリシア十二神の闘いなど、もうボクシング漫画を枠を超えて、神話の世界にいってしまっているので選外としました(笑)。一番好きな技は、志那虎の「スペシャルローリングサンダー」です(笑)。壮大な格闘神話として読んでほしいです。